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中国に来て5日目。
コルラから車で1時間あまり、イリ(尉犁)という街にあるラフマ工場を訪ねました。イリはコルラのような商業都市ではないのですが、ロプノールの歴史をもった街です。あとで紹介しますが、ロプノール博物館があり、歴史民族展を見学できました。
ラフマ工場の工場長とは街の中心にあるロプノールホテルで待ち合わせです。外は炎天下なのですが、建物の中は床が大理石貼りになっていて空調以上にひんやりしており、ちょっと歴史を感じさせるホテルでした。通りの向こうでは日焼け顔に小さな白い帽子が似合う老人が民族楽器と思われる太鼓を演奏していて、まさしくシルクロードを感じさせる雰囲気が漂っていました。
【ロプノールホテル:駐車場から写したものです。
外観はこじんまりしていますが奥行きがあって、なかなか立派なホテルでした。昼食はレストランの個室でご馳走になったのですが、ここで食べたシシカバブーが一番美味しかったです。
現地の方曰く、「ロップ地方の羊が一番うまい。それは春に一番はじめに芽を出すのがラフマであり、羊は他の草が生えるまでラフマを食べているからラフマが生えていないところの羊より旨いのだ」とか!?
】
ロプノールホテルから車で10分、ラフマ工場に到着です。
この工場は主にラフマの茎から繊維をとっており、「麻のように爽やかで綿のように柔らかく絹のように
光沢があり、天然繊維の王様」と賞賛した大きなポスターが掲げられていました。

工場内にはラフマ と白麻(ハクマ)が植えてあり、
特にラフマは新しく試験生産畑が設けられていました。繊維の材料としてはラフマもハクマも区別なく使用しているのですが、お茶は区別していて、ラフマの方が圧倒的に高級品扱いしていました。
実際、お話しを聞きながらラフマとハクマのお茶をご馳走になったのですが、味はまさにハーブティーといったところで、ひいきすることなくラフマの方が遥かに香りも味も勝っていました。
【茎を繊維状にしたもの(赤茶色)と精製したもの(白)。精製した白い方を手にとって触ってみると確かに柔らかいのですが、しっかりした感触もあって不思議な感じ。】
【お茶は色が濃いのがラフマです。 】 
帰りがけに工場の入り口にある製品販売所でお茶の葉を買いました。
繊維製品はカッターシャツや肌着、靴下などが展示されていましたが、大変な高級品で普通の中国人には買える品物ではないとのことでした。(なんとカッターシャツが1枚\12,000-!ブランド品並ですね)
更に、15分ほど車に乗ってハクマが自生しているところに案内していただきました。市内周辺の乾いた土地にはハクマが多く、肝心のラフマが自生しているところは一日がかりでないと行けないとのこと。この日は既に昼を過ぎていましたので断念することにしました。
【背丈は1〜1.5m、釣鐘型の白っぽい花が特長】
昼食後、市の博物館で歴史民族展を見学させていただきました。行った時は改装中で休館していたのですが、特別に市役所の案内係の人を呼んでいただき一点一点丁寧に説明をしていただきました(感謝感謝)。
ロップ人と呼ばれる民族が数千年かけて西へ移動してきた軌跡が壁一面に紹介されており、遺跡の模型や出土品とともにミイラが展示されています。ミイラの装飾品にはラフマの繊維が多く使われていました。衣服の他にうどんを打つときに使用した袋があり、「数十年も使えるほど丈夫なのです」と力説していました。
別の展示室には住居を再現した小屋があり150年前のものとされるオーバーが掛けてあったのですが、裏地を何度も替えて使われてきたものだとか。
ほんとに丈夫な繊維なのだと実感しました。

【ロプノール博物館にて。
残念ねながらミイラなどの発掘品は撮影禁止。 上の再現小屋内の中央のテレビはもちろんガイドビデオを映すものです。】
【150年前のオーバー)】
6日目、ラフマ工場に電話をし、なんとかラフマの自生しているところへ行けないか交渉したところ、日帰りできるところを教えていただきました。但し、普通の乗用車では無理とのことで四輪駆動の大型車をレンタルすることになりました。まもなくホテル前に運転手付きのレンタカーが到着(こちらのレンタカーは必ず運転手さんが付いてきます。車だけ貸すと盗まれちゃうのかな!?)。例によってミネラルウォーターを多めに買い込み、今回はスイカを丸ごと一個とお弁当代わりのナンも買い込んでいざ出発。
移動を開始して1時間と経たないうちに砂漠の中の一本道です。数十メートルおきに川を渡るような感じで、とにかく両手で体を支えないとどこかに飛んでいってしまいそうです。途中の休憩は1回だけ。車を降りて背伸びをしていると、どこからともなくハエが飛んできて、1人につき数匹づつ顔の周りにまとわり付いてきます。きっと、皮膚から蒸発している僅かな水分を求めて飛んでくるのでしょうね(特に目や口の周りにたかられるのでたまりまセ〜ン)。
【あっちこっちに生えているのは漢方薬で使われる麻黄(マオウ)で、数百年も生きます。やっぱり厳しい環境で育つだけあって長生きですね。】
そろそろお尻が限界だと思ったころ、漸く小さな川(湧水)がある谷間に出ました。 そこは日本の川辺でもよく見るような下草やススキのような植物が生えており、その中に数個の株がかたまった状態でラフマが自生しています。 1株のかたまりは20〜30本ぐらいの穂が生えていて両腕では抱えられないぐらいあります。高さはハクマと違って2〜3m余りに成長し、それぞれの穂の先に小さな鮮やかなピンク色の花を付けています。夢中になって写真を撮っていましたが、いつのまにかこころが癒される感じがしてきました。僅かに水が流れる音がするだけで風の音もしません。小さな黄色い蝶が戯れていて、なんだか別世界に来たようです。まさに砂漠の中の小さなオアシスといったところです。
【ヤッホー!やっとラフマに会えました。感激!】
僅か2時間余りの滞在でしたが、ちょっとした砂漠横断の旅(かなりオーバー)を経験させていただいたようで、帰り道まで興奮し続けていました。
現地の運転手さんによると、今回案内していただいたところよりもっと遠い砂漠の奥地に、近くに村もある大きな保護区があるのだそうです。2週間ほど前に行ったばかりだとか。でも外国人の立入りが規制されているとのことで、許可がないと連れて行けないそうです。今度来る時は役所に許可をもらう余裕をもって来なさい、と言われました。それってどのくらいの余裕ですか?と聞いたら、最低1週間ですって。予約が効かない国ではしかたがないですね。それよりも、そんなにちょくちょく来れませんよ。今回はここで諦め、現地の方に写真だけお願いすることにしました(残念)。
道が舗装路になると、あっと言う間に空港についてしまいました。
そう、これでこの旅も終わりなのです。
昨日までいっしょだった車と運転手さんは一足先に帰ってしまい、ここからは飛行機でウルムチまでひとっ飛びです。あちこち寄り道しながら約1週間かけて移動してきましたが、明日は北京経由で日本へ。旅の終わりはやっぱり名残惜しいですね。
最後の晩餐はウルムチの街で出来たばかりのきれいなシティーホテルにいきました。それはそれはゴージャスなお店で、ほんの数時間前には砂漠の入り口をウロウロしていたのが嘘のようです。冒険旅行をしていたつもりがいきなり現実社会に戻されたようで軽いカルチャーショックが・・・(あ〜帰りたくない)。
最終日、日本へ向けてひたすら移動です。飛行機の中でいただいた・・・・ウイグル・・・うどん、やっぱり少しのびていたけど美味しかったです。ラフマのふるさとも見れたし、ウイグル料理はおいしかった、新疆ウイグルバンザイ!、ラフマバンザイ!!
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