ジアゼパムと同様の抗不安効果「ベネトロンR」 <第22回和漢医薬学会>
先日、第22回和漢医薬学会が開催された。その根幹に「食養」という栄養指導の手法を持つ漢方であるがゆえ、今回はシンポジウムに「食薬区分と和漢薬― その規制と研究と応用―」というシンポジウムが開催されるなど、食品との関連が多く見られ、一般演題でも、イチョウ葉やプロポリス、マイタケやニンニクなどの発表が行われていた。
また、海外からのスピーカーも多く、初日にドイツの漢方の状況を報告した、Heidrun Reissenwebers氏は、漢方を西洋医学的に解析している日本の情報が、欧州で漢方を広げる重要な役割を担っていることを発表。確かに多くの演題で、漢方薬の有効成分の特定と、その作用機所について報告されており、西洋医にも興味深い発表が相次いだ。
報告の中身を見ていくと、脳機能やストレスによる気分障害などに対する報告も多く、西洋医学が手薄なこの分野での、植物成分の期待の大きさが窺えた。
その中でもフロリダ大と常磐植物化学研究所が発表した、「ラフマ(Apocynum venetum L.)葉抽出物(ベネトロンR)の抗酸化活性および抗不安作用」は以前から医療機関でも活用されているサプリメント「ベネトロンR」の抗酸化活性と抗不安作用を報告したもの。その対照に抗うつ薬ジアゼパムが用いられるなど、その有効性が期待される。
発表を行ったのはフロリダ大学のOliver Grundmann氏で、ラフマ葉抽出物「ベネトロンR」の研究において、抗うつ活性や、薬物相互作用を示さないなどこれまでの研究を踏まえ、今回その抗酸化活性と抗不安作用について報告した。
抗酸化力の測定には活性酸素消去能力(ORAC)アッセイ法を用い、 抗不安活性の測定は高架式十字迷路法(Elevated Plus Maze EPM)に準じて行った。
その結果、抗酸化活性に関して、ラフマ葉抽出物「ベネトロンR」は1636±42μmol TE/gと、強力な抗酸化活性を示し、含有されるタンニンと、フェノール性化合物のうち、ヒペロサイドやそのアグリコンであるクェルセチン、クロロゲン酸が最も高い抗酸化活性を示した。
EPMにおいては、ジアゼパムとラフマ葉抽出物投与群は、対照に比べ有意にオープンアーム上での滞留時間を延長し、オープンフィールド試験では、抗不安薬ジアゼパム投与群の間に顕著な差は観察されなかった。
ラフマ葉抽出物「ベネトロンR」はフラボノイドやフェノール性化合物を豊富に含み、強い抗酸化活性を示し、マウスに対する抗不安活性は、ジアゼパムに匹敵した。強い抗不安作用が確認される一方で、行動が不活発となる鎮静作用は見られなかったという。
「証」に基づいたオーダーメイド処方を行う漢方だからこそこうした植物成分や、サプリメントについても医療として取り組める。
シンポジウムの中で、日本薬科大学の丁宗鐵氏は、摂取した栄養素が全て吸収されると仮定し、薬を処方し、栄養指導を行う西洋医学手法ではなく、消化・吸収機能が弱っている高齢者など、対象に応じて患者を診る視点の重要性を語った。そうした医療の在り方には、サプリメントの果たす役割は大きいといえる。
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